© 2022 Yuzo Murayama

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村山裕三 京都西陣生まれ。同志社大学名誉教授。

米国ワシントン大学から米国経済史で博士号を取得した後、野村総合研究所で企業・産業アナリストとして勤務、その後大学に移籍、同志社ビジネススクール教授、同志社大学副学長などを務める。この間、米国インディアナ州リッチモンド、ワシントン州シアトル、英国ロンドン、ワシントンD.C.などで生活する。現在、神戸天神山在住。

経済安全保障の研究を30年以上にわたり行い、この分野の先駆者とされる。『テクノシステム転換の戦略』でフジタ未来経営賞、『経済安全保障を考える』で国際安全保障学会最優秀出版奨励賞を受賞。一方、京都の伝統産業の活性化にも尽力し、後継者の育成に取り組む「伝統産業グローバル革新塾」を主宰し、塾長を務めた。著書『京都型ビジネス』は、内閣府プロジェクト「日本の優れた書物を世界に発信する書籍」に選ばれ英語に翻訳された。

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ここで扱う音楽は、本国英国では注目度がきわめて低かった。同時代の英国音楽界のトップに君臨していたのは、ビートルズやローリング・ストーンズのスター・バンドとそれに続くポップグループで、英国のみならず世界的な成功を収めた。その下の層に位置したのが、ピンク・フロイドやキング・クリムゾンに代表される「通」の間で人気を博したプログレッシブ・グループで、これらのバンドもロック史を彩る成功をおさめた。

ここで扱うミュージシャンやグループは、第1,2層と比べて、知名度は低く、レコードは売れず、ライブの場も少なく、彼らの生活は苦しかった。この中心にいたトランぺット奏者のイアン・カーは、「英国の大衆と文化層は、この音楽の質の高さと国際的に見た重要性に、まったくと言っていいほど気がつかないでいる」と嘆いた。

近年、他界するミュージシャンが出てきているが、自叙伝やインタビュー記事は残されている。筆者が1980年代後半にロンドンに住んでいた時には、幾人かと言葉を交わすことができた。彼らがどのような時代に生き、どのような考え方のもとで何を生み出したのかを、アナログ・レコード時代のエピソードとともに描く。

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